Best of 2021 3Q 「写心」
「写心」 難病発症から3年。 僕は視覚障害になった現実を まだまだ受け入れられずに自信喪失していた。 そんななか、2020年7月にキャノンからEOS R5が発売され、 AIが被写体にフォーカスをするという仕組みに心から期待をした。 悩みに悩んだが、決意してR5を購入した。 それから半年間、自宅でカメラを練習しなおした。 ボタンの位置やカメラメニューをすべて目を使わずに使えるようになった。 半年がたった2021年5月、少しだけ自信を取り戻した僕は、 沖縄で仲間の写真を撮影した。 やっと一つ、「やりたい」という気持ちが産まれた。 視覚障害になってから、初めて持てた気持ちだった。 それから少しずつ外に出て写真撮影を試みるようになった。 被写体は自分の眼では探せない。 でも、教えて支えてくれる友達がいた。 うまい写真は撮れないけど、 心をこめて写そうと決めた。